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坂道のバス亭で彼は突然な雨に顔をしかめながら
もっていた本を抱き締め立っていた
私は彼の空色のシャツに
水玉模様が増えて行くのが悲しくなって
お気にいりの傘を半分
彼のシャツと大切な本のために差し掛けたのだ

夏休みにアルバイトでこの街にやって来た彼
紅い糸の伝説を信じる用になったのは
それから一週間の内に何度も彼に出会えたから
始めてつないだ手がとても自然に思えたから
そして会うたびに好きになって行くのが自分でも分かったから

彼は小さな公園の金網のそばに
そっと咲いているタンポポを見つけてくれる人
真夏の星空に新しい星座を思い描く人
そして私にとってとてもとても大切な人

だけど手伝って貰った宿題が片付くたびに
だんだん夏休みが残り少なくなって
彼に会えなくなる日が近付いて来た
大切な何かを失った時に
一番近くにいて慰めて欲しい人が
一番遠くなってしまうなんて悲しすぎる

愛してるって知らずにつぶやいて
そんな眠れない夜が続いている
明日もまたいつもの場所で会えるよね
そういえば一度だって本気で好きだよって
行って貰えなかったような気がする
最後に君が好きだよって忘れないよって
言ってくれるでしょうか彼は


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